Vol.221でも紹介をしましたが、平成28年から、給料等の年末調整において、国外に住む親族についての扶養控除や配偶者控除を受けようとする場合給与支払者に、(1)「親族関係書類」と(2)「送金関係書類」の両方の提出又は提示が義務化されました。今回は必要書類の中身とその注意点についてご紹介します。

1「親族関係書類」とは次の①又は②のいずれかの書類で国外に住む親族と親族関係があることを証明する書類を言います。

親族関係書類① 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外に住む親族のパスポートの写し
親族関係書類② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した「戸籍謄本」「出生証明書」「婚姻証明書」などの書類で、国外に住む親族の氏名、生年月日及び住所等の記載があるもの
提出時期 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の提出時期
注意点 上記②を提出する場合に、どれか1つの書類で国外に住む親族の氏名、生年月日及び住所等のすべてが明らかにならない場合には、複数の書類を組み合わせて明らかにする必要があります。

2「送金関係書類」とは次の①又は②のいずれかの書類で、その年に国外に住む親族に生活費や教育費に充てるための支払いを行ったことを証明するものを言います。

送金関係書類① 金融機関の外国送金依頼書の控えなどの書類又はその写しで、国外に住む親族に対して支払いをしたことが明らかとなるもの。
送金関係書類② クレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外に住む親族がそのクレジットカードを提示して、商品などを購入したことにより、実質的に国外に住む親族に対して送金したこととなることが明らかとなるもの。
提出時期 年末調整のとき
注意点① 例えば、国外に住む親族が妻と子など複数人いるときはそれぞれ各人に対しての送金関係書類が必要となり、妻の口座に一括送金を行っている場合は妻のみしか控除の対象とすることができません。
注意点② 年末調整のときに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「生計を一にする事実」欄に、その年に送金などした金額の合計額を記載してもらう必要があります。
注意点③ 国外に住む親族に対して、現地で現金で手渡した場合や、現地に住む知り合いを通じて現金を渡しているため「送金関係書類」がない場合には、配偶者控除や扶養控除の適用を受けることができません。

3共通する注意点

「親族関係書類」や「送金関係書類」が外国語で作成されている場合には、それぞれの日本語の翻訳文が必要となります。

4まとめ

前年まで国外に住む親族を扶養に入れて、扶養控除などの適用を受けていた場合であっても、上記の書類を提出せずに申告した場合、後から税務署から扶養控除が認められなかった分の税金を納めるように通知がきてしまいます。

国外に住む親族がいる従業員がいる会社では、年末調整シーズン到来前に今一度確認する必要がありそうです。