売掛金(買掛金)の時効

【時効とは】

時効には「消滅時効」と「取得時効」の2種類があります。

そのうち、売掛金が時効により消滅するケースは「消滅時効」に該当します。

また、時効はその期間が過ぎたからといって、自動的にその権利が消滅するわけではありません。

内容証明郵便で「時効援用通知書」を債権者に送る方法により、債務者が債権者に時効の制度を利用する意思を示すことで時効が適用されます。

これを時効の援用と言います。

時効の援用がされると、債権者の了承や合意がなくとも、債務が無くなることになります。

 

【売掛金の時効一覧】

時効期間 時効債務
1年で消滅

(民法174条)

・運送代

・宿泊代

・飲食代など

2年で消滅

(民法173条)

・習い事の月謝

・製造業、棚卸業、小売業など販売する物品の商品代金

・弁護士の報奨金など

3年で消滅

(民法170条)

・医師の診察代

・薬剤師の調剤代

・工事の設計代、施工代など

5年で消滅

(商法522条)

・上記以外の売掛金

(クレジットカードによる飲食代の支払いなどを含む。)

なお、この期間の間に全く返済がないことが時効成立の条件となっています。

 

【時効の中断】

上記の時効の期限が迫っているときでも、以下の手続きをとれば、その時効の進行を中断することができます。(民法147条)

①    請求(裁判上又は裁判外の請求)

②    差押さえ、仮差押え、仮処分(裁判上の請求)

③    債務者の承認(裁判外の請求)

上記のうち、裁判以外の方法で時効を中断する方法について説明します。

1つは、①の請求のうち裁判外の請求で、一般的には内容証明郵便による請求があります。

しかし、この方法は一時的に時効を6ヵ月間中断する効果しかありません。

この6ヵ月の間に裁判上の請求などの法的な処置を取らないと中断はなかったものとして、時効期間の計算がされてしまいます。

もう1つは、③の債務者の承認をもらう方法です。

具体的には、債務者に一部の債権を払ってもらったり、支払約束書にサインをもらうといった方法により、その債務の存在を債務者に承認してもらう方法があります。

この債務者の承認を受けると、その時点で時効は中断し、時効期間の計算は振り出しに戻ることになります。

 

【まとめ】

時効期間を過ぎると、債務者は時効を援用することによってお金を返す義務から解放されることになります。

債権者にとっては損失以外の何物でもありません。

未回収の債権がいつからいくらあるのか、時効期間はいつまでなのかを確認し、時効の完成までに債権を債務者に払ってもらえなさそうなのであれば、時効の中断などの行動を起こすなどの対策を取る必要があります。