1.消費税の仕組みと納税義務

  消費税は「消費」に対して課税される税金です。「消費」とは、物やサービスを利用することをいいます。

 物やサービスを販売した場合に係る消費税の納付は商品の販売を行う事業者側に義務づけており(納税義務者)、事業者は売上時に消費税を預かり、消費者に代わって国に納付します。  

 反対に仕入や経費の支払の際に支払った消費税は仕入先が納税義務者となるため、これを差し引いて納付します。

 消費税は消費者が負担する税金ですが、その納税に関する義務を事業者に課しているため、事業者は決算時に預かっている消費税から支払った消費税を引いて納付すべき消費税額を計算して、申告・納税する必要があります。

 例えば1年間の売上が1,080万円(消費税額80万円)、仕入の支払額が648万円(消費税額48万円)としてそれ以外の経費がかかっていなかったA社があったとします。売上時に預かった消費税額が80万円に対して仕入時に支払った消費税額48万円となるので、A社が決算時に納付する消費税額は80万円-48万円=32万円となります。

 このように事業者が預かった消費税額から支払った消費税額を差し引いた差額を納付するという計算方法を本則課税制度といいます。

 消費税の仕組みイメージ図

イメージ図

   80万円       ―     48万円      =      32万円

 2.本則課税制度と簡易課税制度について

 先ほどは本則課税制度について説明をしましたが、消費税の課税制度にはもう一つ簡易課税制度があります。簡易課税制度は売上の消費税に対して一定割合を仕入に支払った消費税とみなしてその差額を納付する消費税額として計算する方法です。その仕入に支払った消費税とみなす割合が売上の内容ごとに決められており、以下の通りとなります。

  

売上げの内容

みなし仕入率

第一種(卸売業)

90%

第二種(小売業)

80%

第三種(製造業、建設業)

70%

第四種(飲食業、その他の事業)

60%

第五種(サービス業)

50%

第六種(不動産業)

40%

 

 先に挙げたA社の例でA社が製造業(第三種)を営んでいる事業者とします。本則課税制度で計算した消費税の納付額は32万円でした。簡易課税制度で計算をした場合は

80万円-(80万円×70%=56万円)=24万円となり、この場合簡易課税制度で計算した場合の方が消費税の納付額が少なくなり、A社にとっては有利となります。

 簡易課税制度の適用には条件がありますが、簡易課税制度を適用した方が消費税の納税額が少なくなるケースがあるため、簡易課税制度を適用できる事業者はどちらの課税制度を適用した方が良いか事前に判定をする必要があります。

 3.簡易課税制度の適用条件

 簡易課税制度の適用を受けるためには、以下の条件を満たすことが必要になります。

  1. 前々期の課税売上高が5,000万円以下であること

  2. 適用を開始する事業年度の開始日の前日までに消費税簡易課税制度選択届出書を提出する

 簡易

 消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、原則として、2年間は本則課税制度に変更することはできません。ここで注意をしないといけないケースとして、例年だと簡易課税の方が有利になるため、当期が始まるまでに簡易課税制度選択届出書を提出したが、当期に当初予定していなかった大規模な工場を建設して場合に、通常の年よりも多くの消費税を払ったため当期は本則課税の方が有利になったというケースがあります。

 この場合に届出書を提出してから2年を経過しておらず簡易課税制度の取りやめはできませんので、簡易課税制度を選択する場合には大規模な投資計画を予定していないか、業種の変更がないか等事前にアルファ税理士法人の担当者に相談しましょう。