平成29年度税制改正により、役員給与の見直しが行われました。

 

1.役員に対する給与とは

各事業年度において、法人が役員に対して支給する給与の額のうち次に掲げる定期同額給与、事前確定届出給与又は利益連動給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されません(不相当に高額な部分の金額は損金の額に算入されません)。

役員に対する給与

内容

定期同額給与

(1)その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」)で、その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの(2)定期給与につき、一定の給与改定がされた場合におけるその事業年度開始の日又は給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日又はその事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額が同額であるもの(3)継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの

事前確定届出給与

 事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する定めに基づいて支給する給与で、一定の場合に応じてそれぞれに定める届出期限までに納税地の所轄税務署長にその事前確定届出給与に関する定めの内容に関する届出をしているものをいいます。

利益連動給与

 同族会社以外の法人が業務を執行する役員に対して支給する利益連動給与で、一定の要件を満たすものをいいます。

 

2.改正の背景

持続的な企業価値の向上を促進する上で、経営陣に中長期インセンティブを付与するための多様な業績連動報酬や株式報酬の導入を可能とする環境整備を行うことが重要であるという背景から、役員給与等に係る税制が平成29年度税制改正により整備されました。

 

3.改正の内容

項目

改正前

改正後

【役員給与税制全体】

各給与類型の

整合性

金銭、譲渡制限付株式が対象株式報酬は特定譲渡制限付株式を除き損金算入不可 ストックオプションや株式報酬信託などを含め、全体として整合的な税制となるよう措置株式報酬も事前確定届出給与、業績連動給与の要件を満たせば損金算入が可能
【事前確定届出給与】

グループ経営

特定譲渡制限付株式は、自社及び直接の完全子会社に付与対象が限定 株式報酬は完全子会社以外の子会社役員も付与対象
【業績連動給与(利益連動給与)】

算定指標

利益の状況に関する指標のみが対象(営業利益、当期純利益、ROE等) 株価等を指標に追加

計測期間

単年度のみが対象 複数年度の指標も対象

 

「税理士懇話会(税務研究会)の一口解説より転載」