先日、平成27年度所得税改正のあらましが発表になりました。その改正の一部に「NISAの拡充」があります。今回はそのNISAの拡充を紹介するとともに、若い世代の投資促進等を目的として創設された「ジュニアNISA」についても紹介します。
- NISAの拡充
NISAとは、NISA口座を開設すれば年間に投資額100万円分までの株式投資や投資信託にかかる売却による値上がり益や配当金が非課税となる制度です。 例えば上場株式を100万円分購入します。その株式が120万円になり売却した場合、その儲けの20万円部分は非課税となります。
平成28年1月1日以後については、その100万円の年間限度額が「120万円」に引き上げられることになります。
- ジュニアNISAの創設と現行NISA
NISAは20歳以上の方が対象でしたが、ジュニアNISAでは「0歳から19歳」が対象となります。その他について、現行のNISAとともに以下の表にまとめました。
ジュニアNISA(新設) |
NISA(現行) |
|
対象年齢 |
0~19歳 |
20歳以上 |
年間投資上限額 |
80万円 |
100万円(平成28年から120万円) |
投資期間 |
平成35年まで(現行と同様) |
平成35年まで |
非課税対象 |
運用される株式、投資信託での利益 (現行と同様) |
運用される株式、投資信託での利益 |
非課税期間 |
投資した年から最長5年間 (現行と同様) |
投資した年から最長5年間 |
運用管理 |
原則として親権者が代行運用し、 18歳までの払い出しが不可能 |
払い出しに制約なし |
ジュニアNISAを利用して子や孫のために資産運用しても、18歳未満は口座の引き出しができません。しかし将来の子や孫のため資産運用を考えられている方は、年間110万円の贈与税の非課税とジュニアNISAを併用すれば、子や孫に贈与した資金を全て非課税で運用が可能になります。そんなジュニアNISAやNISA、今後の資産運用の新たな手段として検討してはいかがでしょうか。