昨年末に、令和2年度税制改正大綱が公表されました。法人税、消費税につき、従前の取扱いと異なる主な改正は次のとおりです。

1.法人税

(1)連結納税制度からグループ通算制度へ(R4.4.1以後開始事業年度)
100%グループ全体を一つの納税単位とする連結納税制度に代えて、各社ごとの単体申告としつつ、損益通算等の調整を行う仕組みとするグループ通算制度が導入されます。これにより事務作業の軽減等が図られます。

2)グループ通算制度への移行に伴う単体納税制度の見直し(R4.4.1以後開始事業年度)
上記(1)のグループ通算制度への移行に伴い、下記制度の見直しが行われます。なお、グループ通算制度の適用の有無は関係なく、項目によっては100%グループ内の法人にも限られていませんので、すべての法人に影響を及ぼすことになります。

vol309に挿入する法人税の改正に関する図

(3)大企業における税額控除制度の設備投資要件の厳格化(R2.4.1以後開始事業年度)
① 研究開発税制等⇒国内設備投資額>減価償却費×30%(改正前:10%)
② 賃上げ投資促進税制⇒国内設備投資額>減価償却費×95%(改正前:90%)

(4)中小企業者等の少額減価償却資産に係る損金算入特例制度の要件の厳格化(R2.4.1以後取得等
適用対象法人の従業員数要件が500人以下(改正前:1,000人以下)とされます。

2.消費税
(1)確定申告期限の延長(R3.3.31以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間)
法人税の確定申告期限の延長の特例を受けており、税務署長に届出書を提出した場合には、消費税の確定申告期限を1か月延長することができます。

 

「税理士懇話会(税務研究会)の一口解説より転載」