民法の改正により、令和2年4月1日に施行されました配偶者居住権について確認してみましょう。
配偶者居住権
配偶者居住権は、配偶者の生活に配慮するという観点から配偶者の居住の権利を保護するための方策として創設されました。
例えば、相続人が配偶者と子1人で下記のような場合
遺産
vol.324に挿入する遺産の例の図

・法定相続分である1/2ずつ相続し、配偶者がご自宅を取得する場合
配偶者:ご自宅(3,000万円)+預貯金(500万円)となり、生活費の不安が生じます。
・法定相続分である1/2ずつ相続し、配偶者が配偶者居住権を取得する場合
配偶者:配偶者居住権(1,500万円(仮))+預貯金(2,000万円)となり、住む場所も生活費も確保できます。
配偶者居住権を設定した場合、下記のような権利関係になります。
vol.324に挿入する配偶者居住権を設定した場合の利権関係

また、配偶者居住権及び配偶者居住権に基づく敷地利用権を消滅させた場合の課税については、下記のとおりになります。
・配偶者の死亡または期間の満了により消滅した場合…課税なし(相続税法基本通達9―13の2(注))
・配偶者居住権の存続期間の満了前に合意、放棄等により消滅した場合(対価の支払いなし)…贈与税課税(相続税法基本通達9―13の2)
・「対価」を得て消滅させた場合…総合譲渡所得として課税(所得税法基本通達33―6の8、租税特別措置法(法令解釈通達)31・32共―1) 

「税理士懇話会(税務研究会)の一口解説より転載」