令和5年度の税制改正大綱において、マンションの評価方法について適正化を検討するとされ、国税庁より令和5年9月28日に「居住用の区分所有財産の評価について」(法令解釈通達)が発遣されましたので、確認したいと思います。

 なお、①構造上、主として居住の用途に供することができるもの以外のもの(事業用のテナント物件など)、②区分建物の登記がされていないもの(一棟所有の賃貸マンションなど)、③地階を除く総階数が2以下のもの(総階数2以下の低層の集合住宅など)、④一棟の区分所有建物に存する居住の用に供する専有部分一室の数が3以下であって、その全てを区分所有者又はその親族の居住の用に供するもの(いわゆる二世帯住宅など)、⑤たな卸商品等に該当するものはこの個別通達の適用はありません。

 計算例で確認してみましょう。

居住用の区分所有財産の評価額の計算例

 相続開始日:令和6 (2024)年5月1日
居住用の区分所有財産に関する事項
種類:居宅
築年数:15年(平成22年2月1日新築)
総階数:11階、所在階:3階
専有部分の面積60.00 ㎡
敷地の面積4,500㎡
敷地権の割合450000分の2000 (敷地利用権の面積20. 00 ㎡)
自用地としての価額:8,000,000円
自用家屋としての価額:4,000,000円
評価乖離率=A+B+C+D + 3. 220
「A」=15 年×△0.033 = △0.495
「B」=0.333 (11階÷33) ×0.239 = 0.079
「C」=3階×0.018=0.054
「D」=0.334(20.00 ㎡÷60.00 ㎡) ×△1.195 = △0.400
評価乖離率=△0.495 + 0.079 + 0.054+△0.400 +3.220 = 2.458
評価水準=1 ÷2.458 =0. 40683482506・・・
 区分所有補正率=2.458×0.6 =1.4748
敷地利用権(敷地)の価額:8,000,000円×1.4748=11,798,400
区分所有権(家屋)の価額:4,000,000円×1.4748= 5,899,200

「税理士懇話会(税務研究会)の一口解説より転載」