令和6年12月20日付けの自由民主党・公明党による令和7年度税制改正大綱について、令和6年12月27日に閣議決定されました。

 令和7年度税制改正大綱における相続税・贈与税について、確認してみたいと思います。

 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の適用期限が2年延長されました。

 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置については、令和5年度税制改正大綱で「制度の廃止も含め、改めて検討する」とされた後も、利用件数が低迷する等の状況にあり、関係省庁において、子育てを巡る給付と負担のあり方や真に必要な対応策について改めて検討すべきである。他方、現在、「こども未来戦略」の集中取組期間(令和8年度まで)の最中にあり、こども・子育て政策を総動員する時期にある。このため、本措置は、特に集中取組期間であることを勘案し、適用期限を2年延長することとされました。

 他の改正は以下の通りとなります。

改正前

改正後

結婚・子育て資金の一括贈与

適用期限

平成27年4月1日から

令和7年3月31日まで

適用期限

平成27年4月1日から

令和9年3月31日まで

農地の納税猶予

営農困難時貸付けの適用を受けることができる事由に、介護医療院へ入所したことを加える。

山林の納税猶予

特例山林の経営委託の適用を受けることができる事由に、介護医療院へ入所したことを加える。

個人の事業用資産に係る贈与税の納税猶予(事業従事者要件)

贈与の日まで引き続き3年以上特定事業用資産に係る事業に従事していたこと

贈与の直前において特定事業用資産に係る事業に従事していたこと

非上場株式等に係る贈与税の納税猶予の特例(役員就任要件)

贈与の日まで引き続き3年以上特例認定贈与承継会社の役員等であること

贈与の直前において特例認定贈与承継会社の役員等であること

「税理士懇話会(税務研究会)の一口解説より転載」